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裏DVDコラム 002

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裏ビデオを売る人たち(2)

[2016/09/11]

今回は本格的な業者さんの話です。

この前の話から少し後、本格的に活動している裏ビデオ業者さんと知り合う機会がありました。
一つのグループと知り合ったことがきっかけで数グループの人と知り合い、ちょっとした裏事情も覗き見れましたので、そのときの話をしようと思います。

時代は、インターネットが普及し始めて間が無い頃でした。
その頃、管理人は、HP作りが仕事にならないかと考えていました。
いっぱしのスキルがあるわけでも無かったのですが、まともなHPがまだほとんど無かった頃ですので、何とかなりそうな気がしていました。
個人のお店や小さい会社などから受注できればいいな、という感じで。
なので、経緯は書けませんが、裏ビデオ業者さんとも仕事がらみでの接触でした。
もちろん一緒にビデオを売ろうということではなくて、HP作りを依頼してもらえないかというお話です。

当時の裏ビデオ業者は、集合住宅(マンションやアパートなど)のポストにチラシを投函することで注文を取っていました。
この何年か前から携帯電話が普及していたので、業者はトバシの携帯電話を使って注文を取ったり、仲間と連絡を取り合ったりするようになっていました。
街で通行人を呼び止めて車の中でビデオを見せて売ったりする業者もいたらしいですが、そういう人たちのことは知りません。
繁華街の隅に店を構えている形態もあるようですが、これも管理人はよくわからないです。
昔は、古本屋とか、個人経営のビデオ屋なんかで、主人にこっそり声をかけると売ってくれるなんて話もありましたが、それも直には知りません。
管理人は実のところ素人です。HP制作云々でそういう人たちと接触することが無かったら、後々このサイトを立ち上げることも無かったかも知れません。

さて、最初に知り合った人たち。
ビデオを売るまでの流れを聞いてみると、チラシを投函して電話で注文を取り、代引きで郵送、場合によっては車で直接配達に行く、とのことでした。
「えーっ? それは危ないでしょう!?」
当局にその気があれば、おとり捜査で簡単にアウトでは…!?
それならば、ということで、提案。
「これからはインターネットの時代ですよ。HPで注文を取る方がまだ安全だと思いますけどね」
「インターネットぉ〜!?」
相手は、怪しいものを売りつけられそうになっている人みたいな反応。

まぁ、そこからのやりとりは省きますが、結果、HPを作らせてもらうことになりました。

そのとき知り合った人たちは、やくざ組織の人とかでは無くて、何かの先輩・後輩みたいな感じでした。元はどこか地元のツレ同士だったのかも知れません。
意外だったのは、ガラの悪い人ばかりかと思いきや、割とどこにでもいそうな普通の人たちだったこと。
雰囲気的には、ちょっと偏差値の低い高校を出て何かの現業をやっているとか、あるいは無職かも知れないといった感じではあったものの、喧嘩っ早そうな人とか、凄んだ口調で高圧的に話すような人は、管理人が会った中には一人も居ませんでした。
ちょっとチンピラっぽい人は居ましたが、その程度です。

ところで、チラシ配りには意外な側面があって、それは風俗業者との繋がりでした。
風俗業者のチラシを一緒に投函して廻ることで手数料をもらっていたのです。
「なるほどー!」って感じ。効率的です。
たぶん派遣タイプの風俗なので、似たような業界なのかも。
裏業者さんが言うには「ピンク業界は狭い」とのことでしたので、二足のわらじを履いている業者さんも居たのかも知れません。実態は謎ですが…。

あと、「他にはどんなものを売っているんですか?」と聞いたことがあります。
そのときの人は、あっけらかんと「売れる物があったら何でも売るよ」と答えました。
それでふと思って、「まさかクスリなんかも…?」と尋ねました。
これは麻薬や覚醒剤の意味で聞いたのではありません。
この頃すでに「合法ドラッグ」という言葉があったかどうかはよく憶えていませんが、そういったものを指して尋ねたのでした。
すると、その人は即答。
「あ、それは無い!」

そこからは大体こんな会話。
「あんたがどういうクスリを言ってるのか知らんが、オレらはそういうのは扱わんのだ。体に害があるものとか、人を傷つけるものとかは、な!」
「へぇ…」
「例えば拳銃を売れるとしよう。改造モデルガン程度でもな。けれどそれで人が死んだら後ろめたい気になるしな。クスリでおかしくなったり死んだりされても困る」
「まあ、そりゃそうでしょうね、普通は」
「エッチビデオなんて平和なもんさ。オナニーし過ぎて死んだなんて聞かんしな。サルにオナニー教えたらやり過ぎて死んでしもうたって話があるけど、あれも嘘らしいしな」
「えっ、サルの話、そうなんですか?」
「そうらしいよ。詳しくは知らんけど」
−−と。
これにはちょっと感心しました。一応はポリシーのようなものがあるんだなーと。
ちなみにサルの話は、気になる人はネットで調べて下さい。

ただ「合法ドラッグ」に関しては、その後広まるにつれ社会問題になり、呼称が何度か変わって今では「脱法ドラッグ」として知られていますが、儲かりそうなものにあれもこれも手を出すような人たちは、片や裏ビデオを売り、片やドラッグ…みたいなケースもあるのかも知れません。
ヤクザ系だと何でもやっていそうですしね…。

他に聞いた話では、裏ビデオ業者は大体3タイプに分かれる、というのがありました。
一つはヤクザ。一つは同和出身者。一つは在日韓国(朝鮮)人。
さらに言えば、この三つの内二つ以上が当てはまる場合もあるとのことです。
当時の裏ビデオには「マスターテープ」と呼ばれる本元のテープがありました。
VHSビデオテープの時代は、ダビングを重ねると画質が劣化していましたから、マスターテープに近いテープを持っているのが優良業者でした。
あ、もちろん、相場なりの値段で、ちゃんと届けてくれるのが前提で、ですけどね。
その本元の原盤を流している元締めは在日韓国人なんだとか。
ただこれは十数年前のことなので、今もそうなのかどうかはわかりませんし、そもそもその人が言うのが正しい情報だったのか、管理人には判断できません。
あくまでも「そう聞いた」という噂話と捉えて下さい。

さて、HPが出来てからのことです。
当時のHPは、商品のサムネイル画像を並べて、タイトルと注文番号と説明を付けただけの簡素なものでした。
注文はメールで。フォームメールさえ最初はありませんでした。
ただ管理人は、プロバイダの契約、HPのアップロード、メールの処理など、諸々を教えたりもしましたし、わからないことが出てきたときにも対応しなければなりませんでした。
そういった指導料やアフターフォローも込みでしたから、しょぼいHPの割にはまあまあの金額をもらいました。

業者さん同士の横の繋がりもあったので、その後は3つ4つのグループを紹介してもらい、その人たちが仕事をくれたので、一時はなかなか割のいい副業になりました。
毎月、新作分の追加ページも作らなければいけませんでしたしね。

もう一つ意外だったのは、お金の払いがきちんとしていたことです。
但しグループの内一つだけは、振込が遅れることが多く、連絡もルーズでした。
「遅れるなら、それはそれで連絡を下さい」
と言うと、申し訳なさそうにはするのですが、同じことの繰り返しです。
「振り込んだ」と嘘を言われたこともありました。

売り上げの方は、緩やかながらも期待以上に上向きな感じで伸び始めていたようです。
しかし、HPはあるとき急にストップがかかり、そのときのグループ全部が手を引いてしまいました。
運営期間は、一番最初にスタートしたHPでも半年かそこらだったんじゃないでしょうか。
「インターネットはこれからやばい」
という情報が、その筋から流れてきたとのことです。
その筋というのは当局のことらしいのですが、繋がりのある当局関係者からそういう情報が来たということなのでしょうか。

後々のことも踏まえて言えば、たぶんその情報はガセだったと思います。
誰かがさも訳知りな感じで言ったことを真に受けたとか。
あと、何か他の理由があったのを、こういうことを理由にしたのかも知れませんが…。
似たようなことが後にもありましたので。

管理人は懐疑的でしたが、その人たちにはその人たちの情報網があるので、否定しても仕方がありません。
「また落ち着いたら連絡する」
と言って、ほぼすべての人から連絡が途絶えました。
相手はトバシ携帯で、間もなく番号は消滅したので、こちらからは連絡が取れません。

ただ、管理人も面倒臭くなり、直接「売り」には関わっていないとは言え、何かあったら困るので、そういう世界をちょっと覗き見して面白かったということで、これで手を引こうと思いました。

しかしその後、グループの一つが管理人に連絡をくれました。
「裏を売るのはやめて、これからは合法なものを売るから、またHPを作ってくれ」
とのことでした。
その人が言う「合法」なものとは、「薄消し」と言われるインディーズビデオのことでした。
そのインディーズビデオの関連で、そのグループとの付き合いはもうしばらく続くのですが、最後は閉じてしまい、その後はやはり連絡が取れなくなりました。

まあそんなこんなで、アダルト関連に興味を持ち、検索サイトやランキングサイトを作ってみたりして、それが今に繋がっています。

これでも駆け足で書きましたので、細々した話はまだあります。
それはまた気が向いたら書くことにします。

次回の話題は未定です。

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